「ハイドロキノン」は皮膚科でもシミ対策に処方される、代表的な薬です。最近では、「ハイドロキノン配合」をうたう化粧品も増えてきて、シミ対策に利用する方も多いはずです。
では、実際に「ハイドロキノン」はどれだけの効果があるのでしょうか?また、元々は医薬品ですから「副作用は大丈夫なの?」と気になる方も多いでしょう。
そこで、ハイドロキノンクリームの効果や副作用について、徹底的に検証していきます。
この記事の目次
シミが消える!ハイドロキノンクリームの美白効果とは?
結論から最初に言えば、ハイドロキノンクリームはシミに非常に効果的です。たとえば、この画像のように、シミを一気に薄くすることが可能です。
これはハイドロキノンクリームを塗布して治療をした患者の画像です。シミの色素沈着が薄くなっているのが、ひと目でわかると思います。では、なぜハイドロキノンはシミに効果があるのか?その理由を解説していきます。
ハイドロキノンはシミの原因「メラニン」を減らす
ハイドロキノンはシミの原因であるメラニン色素を減らす作用があります。お肌の中にある「チロシナーゼ」という酵素がメラニン色素を生み出しています。ハイドロキノンには、メラニンを生み出しているチロシナーゼの働きを邪魔する力があるのです。
肌は新陳代謝を繰り返し、常に新しい肌に生まれ変わっています。それでもシミが治らないのは、また新しくシミができてしまっているからです。
しかし、ハイドロキノンはメラニン色素ができる原因を止めてしまうので、シミができにくい肌になり、自然と画像のような綺麗な肌に変わっていくのです。
ハイドロキノンが美白に効果がある理由
皮膚科では、ハイドロキノンを使った治療は「漂白療法」とよばれています。なぜこのように呼ばれるのか?皮膚の色を決めているのは「メラニン色素」ですが、ハイドロキノンを塗ると、皮膚を色づかせているメラニンができにくくなるので、肌が白くなっていくのです。
このようにハイドロキノンは非常に効果的な美白剤です。
ハイドロキノンの濃度をチェックしよう
なお、医学的な効果が認められているハイドロキノンクリームの濃度は「4%」からです。それ以下では効果がないとはいえませんが、劇的な効果はのぞめないでしょう。「ハイドロキノン配合」を謳う製品は数多くありますが、十分な濃度でない場合も多いです。
買う前に濃度をチェックしましょう。十分なものが見つからないなら、皮膚科に相談するとよいでしょう。
ハイドロキノンの副作用は大丈夫なの?
ハイドロキノンの主な副作用は?
ハイドロキノンは、一部の人に「皮膚の乾燥・ひびわれ」「赤み」「適用部位に軽度の灼熱感」を引き起こす恐れがあります。スキンケア剤は人によって合う、合わないがあるので、長期使用する前にかならずパッチテストをしてください。
パッチテストをしよう
パッチテストをするには、傷がない健康な皮膚に少量を添付し、24時間様子を見ましょう。乾燥、ひびわれ、灼熱感などの副作用が出ないことを確認した後に利用して下さい。
また、極少数ではありますが、肌の黒ずみなどのアレルギー反応を引き起こす場合があります。その場合、すぐに医師に相談して下さい。
過酸化ベンゾイル、レチノール、フェノール、サリチル酸と併用に注意
これらの成分が含まれる製品と、ハイドロキノンを併用しないでください。皮膚の染色など、重大なトラブルを引き起こすおそれがあります。過酸化ベンゾイルはニキビ薬、レチノールは美白化粧品、サリチル酸はピーリング剤に含まれる成分です。
美白マニアの方は知らずしらずのうちに使っている成分ですので、自分の使っている製品にこれらの成分が含まれていないことを確認しましょう。
ハイドロキノンの正しい使い方は?
では、どのように使えば、ハイドロキノンクリームを正しく使えるのでしょうか?効果を得るための使い方を解説していきます。
1日2回、洗顔後、乾燥してから塗る
ハイドロキノンは1日2回、洗顔後の清潔な肌に塗りましょう。ただし、洗顔後30〜1時間程度たち、肌が乾燥してから塗るようにしましょう。
また、ハイドロキノンは患部だけにぬりましょう。ハイドロキノンは強力な成分なので、シミができていない箇所に塗るのは避けて下さい。患部に薄く、均等に塗って下さい。
UVケアを、いつも以上にしっかりと
メラニンはシミの原因でもありますが、肌を守る働きがあります。前述したように、ハイドロキノンにはメラニンの生成を邪魔する働きがあるので、使用している間はメラニンが少なく、肌が紫外線に非常に弱い状態になっています。ですから、ハイドロキノンを使っている間は、いつも以上にしっかりとUVケアをしてください。
長期間使いすぎない
メラニン色素はシミの原因ではありますが、肌を保護するために必要なものです。ハイドロキノンはメラニン色素の自然な生成を邪魔してしまうので、長期的な使用はのぞましくありません。
皮膚科では一般的に8週間のプロトコルで使います。それ以上の期間使用するのは控えましょう。